ジョージ・ハリスン『Dark Horse』

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ジョージ・ハリスンの場合、時々カチッとピントが合う瞬間があって、今回の場合は「Far East Man」にとどめを刺すと思います。この曲はロン・ウッドとの共作ということもあるでしょうが、この何とも哀愁に満ちた旋律にはやはり持ってかれてしまう。魅力的な瞬間が時々訪れる人ですね。

この辺りからジョージ・ハリスンの身辺は慌ただしくなってきて、奥さんをクラプトンにとられてしまったり、過去の楽曲で訴えられたりと散々な訳ですが、作品の方はそれに比例してヘナヘナになっていきます。基本的に捉えどころのない人なのが更に環境によって加速されてしまう。

そんな中でもキラリと光る瞬間があって、それが今回の場合は前述の楽曲だったということでしょう。この不安定さが魅力、等というと怒られそうですが、とても人間臭くていいと思います。今回もまた即断は出来ない出来。これは反復を生むんだなあ。