リー・モーガン『Lee Morgan Vol.3』

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続いても57年の録音。ここでは全曲の作編曲を先輩のベニー・ゴルソンが手がけていて、冒頭からフルートの音で始まります。

 

リー・モーガンのリーダー・アルバムと銘打ってはいますが、この時弱冠まだ18歳ということなので、先輩がお膳立てしたフォーマットに乗って意気揚々と演奏している、といった方が正しいのではないでしょうか。

 

ピアノはウィントン・ケリー、ベースはポール・チェンバースと、マイルス組も参加していて豪華。各々の楽器のメインをとる音が響いてきて、全体的に構築感も感じられます。

 

前年に自動車事故で亡くなったクリフォード・ブラウンに捧げる曲が収録されていますが、ジャズ界には本当にこうしたエピソードが多いですね。楽曲はとても優しいトランペットの音がリードしていて、亡くなった盟友への素直な感情が感じられます。

 

いいアルバムですが、なるほど『Candy』が人気作品なのも頷けるような気もします。疾走感がいいんでしょうね。