『矢野顕子+TIN PAN PARTⅡ さとがえるコンサート』disc 2

しばらく前の細野晴臣のラジオで鈴木茂がゲスト出演した際に、はっぴいえんど時代の大滝詠一未発表曲が見つかったので、今年再結成してニューアルバムを発表しよう、という驚きの構想が明らかになりました。

 

実現したら素晴らしいことですが、この10年前の矢野顕子とTIN PANのコンサートもいわば擬似はっぴいえんどみたいになっていて、矢野顕子大滝詠一の曲を取り上げて歌うことで新解釈のはっぴいえんどが出来上がっています。加えて細野晴臣鈴木茂はっぴいえんどの楽曲を自ら歌うことで、その雰囲気は加速する。

 

はっぴいえんどの幻想は半世紀以上経っても消えることはなく、何年かのサイクルを経て繰り返し再生される。普遍性というもの、というか端的に好きな人が多いからそうなるのかもしれませんが、非常にしぶとい音楽だと思います。まあYMOもそうなんですが。

 

同窓会というよりアップデート。クラフトワークも定期的に行っている過去楽曲の再演は時代で音をアップデートしてリニューアルバージョンを世に送り出しています。同じことをこのタイミングで矢野顕子が触媒となってやってくれた。その後スカイの再結成などもありましたが、遂にここへ来てまたはっぴいえんどが始動する。恐らく最初で最後。そんな期待を胸に耳を傾けていました。