高橋幸宏『Page By Page』

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坂本龍一に続いて高橋幸宏も新譜を出した。HASYMO、pupaを通過した後の新作ということで、前作に比べて音の充実度が格段に違っているような気がする。様々なゲストを招いての作り方は、今回もそれこそ81年頃の勢いを感じさせるが、当然質感は異なる。

こうして聴くと、スケッチ・ショウからHASYMOに至る繊細な音づくりは高橋幸宏の意向が強いものだったことが分かってくる。一方で『Out of Here』みたいなポップスのツボをついた展開を見せる曲もあるし、スティーヴ・ジャンセンとの曲は当時の暗さを彷彿とさせて現役感をアピールする。高橋幸宏のボーカルも全体を通して若々しくて可愛い。ビートルズの『You've Got To Hide Your Love Away』のカバーなんかも入っていて、楽曲構成が全盛期の頃のようだ。でもこれはトッド・ラングレンのカバーの方がいいな、私も。

pupaまでの明るさはないものの、ひとつ吹っ切れたような新作だ。