ドルフィン・ブラザース『Catch The Fall』

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87年にリリースされたJAPANのスティーヴ・ジャンセンとリチャード・バルビエリによるユニット。こちらも高橋幸宏のEveryday Musicでオンエアされていましたが、やっと手にしました。デヴィッド・シルヴィアンミック・カーンのソロに比べると若干薄味でフォローするまでもないとずっと考えていましたが、今になって聴いてみるとなかなかに聴きやすくて心地良く耳に響きます。

聴いた感想は、やはり高橋幸宏の影響が如実に出ているということ。時期的にも「Stay Close」の後ですし、実際に収録曲の「Real Life, Real Answers」なんかはそれっぽかったりします。

また、ベースラインがミック・カーンを彷彿とさせるものがあって、もしかして参加しているのでは?とクレジットを確認してみましたが、そうではない。ということは、二人の作る楽曲に自然に影響が出ていた、ということになります。

ボーカルはスティーヴですが、やはり血は争えず、兄の声にそっくり。とはいえ、高橋幸宏も言うように兄からアクを抜いた感じの質感となっています。

全般的にとてもポップで聴きやすい作品でした。その分残るものも少ないですが、細かなリズムパターンや音の選び方等は当時の雰囲気と二人の細かな資質が垣間見える気がして、好感が持てるし掘り下げ甲斐がある作品となっています。冒頭に書いたように、高橋幸宏とのコラボレーションが及ぼした影響が見て取れる点は盲点でした。以前ならスルーしていたところですが、今となっては再発見の多い作品です。