高橋幸宏『BROADCAST FROM HEAVEN』


90年リリース作品。こちらも大分後になって聴いたアルバムです。とてもポップでいい作品。

 

振り返って気付いたことがあります。実はEMI時代の高橋幸宏は長い期間に渡ってビートニクスの変装形だったのではないか、ということ。本作でも鈴木慶一の参加曲の割合は高いですが、高橋幸宏の場合、スケッチショウが元々は自分のソロアルバムを細野晴臣にプロデュースしてもらう話から始まったように、一緒に制作するミュージシャンの色が全景化してしまうところがあります。

 

このアルバムにも87年のビートニクスの2ndと同じテイストが流れていて、実はその後の何枚ものアルバムもポイントポイントで鈴木慶一が登場して活動をサポートしています。これは10年以上に渡ってビートニクスの活動が高橋幸宏のソロ作品という場を借りて実現されていた過程なのではないか。そんなことを今回聴いていてふと感じました。

 

「6,000,000,000の天国」「FAIT ACCOMPLI」「4:30のイエティ」「1%の関係」といったいい曲が目白押しの中、トッド・ラングレンがカバーした「FOEVER BURSTING INTO FLAME」という曲があったり、ムーンライダーズ鈴木慶一が二度と歌えないとコメントしている「何だ?この、ユーウツは!!」と肩を並べるメンタル楽曲「REHABILITATION」が収録されていたりと、非常に聴きどころの多い作品となっています。