宮内優里『トーンアフタートーン』

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コーネリアスが参加した宮内優里のミニアルバム。この人は才人ですね。

高橋幸宏高野寛らとTYTYTとしても活動していたり、前作にはその高橋幸宏星野源原田知世をゲストボーカルに迎えたりと、何となく「pupa一派」みたいな位置づけで活動している印象がありますが、今回初めてまともに作品を聴いてみて、その才能の高さに驚きました。

まず非常に爽やかです。初夏に合う音、といいますか透明感があって、かつ一筋縄ではいかないエレクトロニカ。アコギが入っているのがコーネリアスとの共通点を醸し出していて、小山田圭吾が参加していない曲でもコーネリアスのような感触が味わえる曲もあります。でも全体的にはもっと綺麗で、聴いていて気分が良くなります。少し違いますがGONTITIにあるような楽園志向が漂っているといいますか。

ただ、最終曲の『wiove_』なんかではYMOの『LOOM』みたいな無限音階ではないですが、バックで流れる音響で圧倒する等、怖さも併せ持っていて非常にいいですね。単なるBGMには終わらない。インストなのに飽きさせない要素が詰まっていて「聴かせる」エレクトロニカ、という印象です。静かなようでいて静かではない。音に煌めきがあります。

ジャケットも社内便の封筒みたいで可愛いですね。これはなかなか見逃せない人が出て来たなあ、という感想です。