電気グルーヴ『A』

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電気グルーヴはこのアルバムが頂点です。まだ活動中なので非常に失礼ですが、砂原良徳が在籍していてかつ比較的シリアスな路線と不条理ギャグの世界が同居して絶妙なバランスを保っていた時期の金字塔としてしっかりと歴史にその名を刻んだ功績は大きい。

その後、砂原脱退後にしばしのブランクを経て復活した楽曲群に時代の後押しをもらった新規性はなく、既に懐メロかあるいは割り切った上での歌謡アイドル路線、というよりオーセンティックな復活を演出する少しひねた歳のとり方をしているという意味で、ちょっとなあという感じが否めません。

『パラシュート』という曲が秀逸で非常に恍惚感があります。『ガリガリ君』もいいですね。勿論ヒットした『シャングリラ』も入っています。砂原良徳の洒脱なセンスが活動に彩りを添えていた危ういバランスを保った一品。これ以降電気グルーヴとしてはやっぱり失速中なんじゃないかなあ。後10年歳をとって果たして何処に行き着くか。ちょっと見物ではありますね。