変わらぬことがこんなに心地良いとは。
プリファブ・スプラウトはリーダーのパディ・マクアルーンのソロユニットになってしまいましたが、何でも視覚と聴覚に障害を抱えてしまっているようで、ほぼ新作はないかと思っていました。そこに届けられた過去の音源『Let's Change The World With Music』の発売が4年前。それだけでも嬉しいプレゼントでしたが、まさか純粋な新作が出るとは驚きです。
基本打ち込みリズム＋すべて単独の演奏による作品ですが、びっくりするくらい変わらない佇まい。美しく響く旋律はまさに永久不滅。更に未発表曲が大量にあるというんですから期待は膨らみます。
『スティーヴ・マックイーン』の新録もアコースティックでいい音でしたが、こちらで響く音も非常に綺麗。それにあのウィスパー・ボイス。しかし風貌はほぼ世捨て人というギャップ。一体何者なんでしょう。なんでこんなに老けているのか分かりませんが、障害を抱えているというのはこと程左様に人を老けさせるものなのか。真相は明らかではありませんが、とりあえず届けられた音がきらびやかなのですべては許されてしまう。コンスタントであることがこんなにも快適であるとは。
40分程度の短い作品ではありますが、丁度良い長さですし、これを最後だと思って味わい尽くすつもりで聴いています。ありがとうと素直に言いたいですね。
