ジョン・レノン『心の壁、愛の橋』

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年内はこれが最後。ジョン・レノンの74年作品。こちらは7年ぶりの買い直しになります。レンタルで借りてiPODに入っていたのでたまに聴き返すことはありましたが、それでも久々に聴きました。安心して聴けるポップスです。

『Bless You』が一番いいなと思いました。ホッピー神山の好きな『Nobody Loves You』はブラスの入った奥行きのある曲ですが、これもなかなかしみますね。オノ・ヨーコとの別居中に作られた最後の作品で、これ以降は主夫に徹してその後復活して亡くなってしまう。劇的な人生ですが、コンスタントに作品を出していた頃としては実質最後の作品ということになりますのでクオリティの成熟度が非常に安定して高い。ここ最近はポールの来日でジョンを忘れつつある日々ですが、当たり前ながらいい曲をかく人です。

今年は資金不足もあってなかなか思うように新しい作品が聴けませんでしたが、その分じっくりと各作品を味わって大切に聴くようになったのでそれはそれで良いのかなと考えています。状況は決して短期には回復しないし、昨年から今年前半にかけて起きた出来事が未だにフラッシュバックするので気は抜けませんが、それでもゆったりと時を過ごすことが一瞬でも出来たのは有り難いことです。

ジャケットは特殊紙ジャケットで、中古屋の店頭では裏ジャケのジョンの顔が表になっていました。別作品かと思いましたが、正式には絵の方ですよね。エルトン・ジョンや息子のジュリアン・レノンも参加している佳作ですが、演奏が気心の知れたメンバーによるものなので安定感が半端ではない。育児後に復帰したローラ・ニーロの作品を思い出しました。角が取れたアーティストの作品はそれはそれで粋なものだと思います。