スタン・ゲッツ ケニー・バロン『people time』

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91年録音のスタン・ゲッツ晩年のアルバム。2枚組でした。ピアノのケニー・バロンとの共作で、ひたすらサックスとピアノの音が響きます。とても体調が悪いとは思えない張りのある演奏で、ただただまろやかな時が流れていきます。

コペンハーゲンでのカフェで録音された音源のようですが、何となく聴いているとこちらもBGM化してしまう危険があります。ゆったりしている曲などでは眠りを誘いそう。スタン・ゲッツは名前しか知りませんでしたが、後年はブラジル音楽に接近したんですね。『ゲッツ/ジルベルト』とかあるもんなあ。これまでまったく触れずに来ましたが、心地良い響きの音たちです。

リズムのない器楽には没頭できないという感じもあり、聴いていると通り過ぎていってしまうし、造詣が深くないので演奏の機微を味わう程に耳が肥えていないので、ただ単に音を聴いただけでは誰の演奏かはまず間違いなく判別できないんですが、きっとそれでもいいんだと思います。グレイトフル・デッドから始まってソウル、ジャズと来ましたが、基本はやはり器楽なんでしょう。この先に行くにはもう一線越えなければならないハードルがあるような、そんな感覚を覚えているところです。