ディアンジェロ&ザ・ヴァンガード『Black Messiah』

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昨年一番の話題作は海外ではこれ、国内ではceroの『Obscure Ride』ということで、そのceroの元ネタでもあるディアンジェロを聴いておかないと、とずっと思っていました。YouTubeで全曲試聴できるので何度か聴いてはいたんですが、何となく難解な印象だったので後回しにして来ました。しかしながらやはり誘惑には逆らえ切れず輸入盤でお安く購入。そして印象はやはり難解です。

一聴してプリンスを想起させますが、いわれる通りカーティス・メイフィールドっぽくもある。このビートの佇まいがロバート・グラスパーと共にceroの新作の背景となっているとすると、今の流れを象徴しているのはこの一見捉えどころのないグルーヴとなる。黒人を取り巻く環境をメッセージとして表現しているという意味でこれとケンドリック・ラマーが取り上げられている状況を理解することは本作の音として受け取る印象と同等かそれ以上に難しい。それでもカーティスのように取っつきやすければまた別なんですが、いかんせんこちらは敷居が高い。高尚過ぎてついていけません。これだったらプリンスの新作を聴いていた方がいいのでは。とはいえラストの「Another Life」は何となく分かるかな。

 

話題作ということで安易に手を出すと火傷する難解さを秘めた作品です。