ロバート・グラスパー『Black Radio 2』

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ceroの新作に関する記事で名前が挙がっていたロバート・グラスパーを聴いてみることにしました。厳密にはこの前の12年リリース作を聴くべきですが、たまたまこちらの続編の方が中古屋にあったのでまずは手にとって、というより続編とは知らずに購入してしまいました。

印象としてはとても聴きやすい音楽です。ジャズの側からソウルやヒップホップに接近した、ということで構造自体はロックに接近したマイルス・デイヴィスと同じものですが、電化マイルス程難解ではなく、非常にソフトな印象を受けます。とはいえやはりジャズには聴こえない。しかしながらそもそもジャズやロックというものは雑食性が信条だし、ジャンル分けそのものが音楽にはあまり関係ありませんので、これはこれでひとつの音楽として聴くべきものでしょう。その上でインパクトがどれ程あるか。

残念ながら自分としてはエスペランサ・スポルディングの方が衝撃は強かった。ロバート・グラスパーの場合は様々なゲストを召還することで作品としての幅や音楽のイメージを広げている形をとっていますが、単体としての聴後感は分かりやす過ぎて耳を通過していってしまう。ceroの言うようにリズムの解析、再現には参考先として意味があるのかもしれませんが、端的に音楽としてのインパクトには多少欠けるような気がしてなりません。これだったらディアンジェロを聴いた方がいい。

LIFEでの言説でスノッブ的に語られているのも違和感を覚えます。それは批評や評論中心でスタイルから入っている。こちら方面に詳しくないので余計にそう感じるのかもしれませんが、快感指数が上がっていかなかったのは事実。これは自分の耳で検証した事実に過ぎません。決して悪くはないのでもう少し勉強してみますが、今のところはそういった結論です。