トッド・ラングレン『Nearly Human』

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88年にトッド・ラングレンのベアズヴィル時代の一連の作品がCDで再発された時期がありました。その時は来日もして、自分も少なからず衝撃を受けたんですが、この作品はその翌年にリリースされたもの。タイトル通り、生演奏を主体にしたアルバムで、その後のツアーもブルー・アイド・ソウル色が強い内容となりました。

何といっても「The Waiting Game」「Parallel Lines」が出色の出来で、このキラキラしたメロディアスな楽曲はトッド節を愛する人にとってストライクゾーンど真ん中、といったもの。

全体的には冗長な演奏も多く含まれており、トッドのバラードを好まない人にとっては若干苦痛を伴う楽曲も含まれます。それでも御大の次の方向性を見定めるには絶好の内容でした。しかしここから混迷の90年代がスタートする。本作はその序章に過ぎなかった。その後の展開はまさに予測不可能なものでした。