トッド・ラングレン『One Long Year』

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トッド・ラングレンの節操のなさというのは、いい意味でいえばマルチな才能と表現することも出来て、70年代の初頭にはそれがひとつの魅力でもありました。しかし、作品として世に出していく際に、例えばフランク・ザッパのように多作で、かつ様々なライブ音源の編集という形でパッケージメディアをまるで途中経過のように扱っていく手法をトッドが採用していたかというとそういうことではなく、あくまで作品単位として旧来の手法を踏襲していた。

そんな中で、この作品のように雑多な音源を作品化するということは、当時インターネット上での作品発表を活動のメインとすると宣言していた立場からすると、そのプロモーションとしてリリースされたCDであると捉えるのが正しいのではないかと思います。

楽曲は従って一貫性はなく、アルバムとして捉えるのは困難ですが、唯一「Where Does The Time Go?」という佳曲が収録されていることのみ価値があると認識しています。