ナッズ『Nazz Ⅲ』

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トッド・ラングレンの初期作品に確実につながる前身バンドの音をこれまで聴いてこなかったのはやはり勿体なかろう、ということでナッズの再発盤も折に触れて探していましたが、今回サード作品が見つかりました。リリースは70年。元々は2ndとの2枚組で企画されたものとのことで、トッドのソロ活動が軌道に乗ったことでレコード会社が便乗して出した作品のようです。

経緯はどうあれ、作品はどうかというとトッド色全開で、特にラストの「You Are My Window」なんかは絶品のトッド節。これは良かった。その他、ローラ・ニーロにそっくりの曲なんかもあって、微笑ましい。ローラ・ニーロの初期作品は本当に独特で、フォロワーなんか産みにくいと思っていましたが、確かにトッド・ラングレンがその系譜を引き継いでいたんですね。

バラードものやコーラスワークなど、確実にトッドの初期作品と直結していて、この後すぐ『ラント』になるというのが良くわかる出来でした。ポップミュージックは聴いていて幸せになる。これがやはり真骨頂ですね。