フランク・ザッパ『The Roxy Performances』disc 6

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ロキシーのボックスもあと2枚まで来ました。この6枚目はちょっとマニア向けですね。

ステージ最終のアンコール曲「Dickie's Such An Asshole」から始まりますが、その後はリハーサルの音源と、ステージ終了後のスタジオセッションです。このスタジオセッションで、後にオーバーダブで音を修正するための音源を録音しているかと思われますが、本編に入っていない曲もかなりやっているので、果たしてそれが目的なのかどうか、判然としない点もあります。

いずれにせよ、これを楽しめるのはかなりザッパ全体を聴き込んでいる人向けだと思いますので、普通に楽しむものではない。ただ、一度演奏が始まってしまうと超絶的テクニックなので、人力マシンのように演奏が続いていく流れに自然と耳は奪われていきます。

しかしまあ、何というパワフルな人だったんでしょうか、フランク・ザッパという人は。こんな感じで一生を過ごしていたんだとすると、本当に頭が下がります。単なる天才ではない。努力もしていた人なんだなあ、と感じます。このライブ音源の活用が作品の多作化とメンバーの報酬を支払うための収入源となっていた訳ですので、活動を継続するためのビジネス上の努力を惜しまなかった、ということですよね。単なる直感でやっているのではなく、緻密な活動へのスコープも併せ持っている。改めて素晴らしいと思います。