キング・クリムゾン『On (and off) The Road』『Three Of A Perfect Pair』Blu-ray

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こちらはいわゆる『Live in Japan』のフルバージョン映像が目玉です。しかし何度もこの場で解説しているので既に書き尽くした感がありますが、何といっても「太陽と戦慄パート2」の演奏がその後のすべてを変えました。とはいっても80年代クリムゾンにおいて、ということですが、この映像のカッコ良さには誰もがノックアウトされること間違いなし。と思いながらはや30年以上。いまだに評価が高まることはありません。充分に高いけど一般化していない、と言った方が正しいかな。

ディシプリン」の映像が入っていたのは儲け物でした。これはしかし何ということか。大好きな曲なのですが、崩し方が凄い。音のずらしのタイミングが早い早い。1小節目からすぐにずらしていくなんて何て凄いんでしょう。スピード感があってさりげなくて堪りません。

「スリープレス」でインプロヴィゼーションパートがあったのも知りませんでした。これはしかし後期の演奏、というかロバート・フリップの手のひらの上で遊ぶ3人の職人達といった趣で、微笑ましいと同時にバンドの終焉も予告しているかのような感触を与えます。

キング・クリムゾンのまとまった映像作品というのは実はこの『Live in Japan』くらいしかなくて、後はTV出演時の映像くらいなんですね。正確ではないかもしれませんが。そう考えると益々貴重な映像ということになります。それにしても一瞬映る客席のオタク度の高い服装。これには辟易とします。音楽が好きなら服装もきちんと色気を出さないといけません。多少はね。