遠藤賢司とあがた森魚の場合は、個々の作品というより総体で聴くアーティストのような気がします。こちらは83年発表のミニアルバムで、プロデュースは細野晴臣。越美晴が参加しています。僅か6曲、18分の小品です。
とても静かな音楽。ファルセットのボーカルが多く、2曲はインストです。確か、越美晴を細野晴臣に紹介したのはエンケンじゃなかったかなあ。ちょっと正確ではないかもしれませんが、その後長い間行動を共にすることになる二人と遠藤賢司がここで邂逅していたというのは興味深い事実です。
しかしこの静けさは何だ。80年代の遠藤賢司は一時停止していた側面もあったようですが、ここでポッと産み落とされた作品はテクノでもないしフォークでもない。ただただ静かにそこにいるような作品でした。