ハードバップ 期の録音が一番しっくりくると感じてからのマイルスの聴き方はとてもピントが絞れるようになりました。これまでは手当たり次第でしたが、ようやく深掘りする切り口が出てきたところです。かつてフランク・ザッパやPファンクに対して行ったように、今回やっとマイルス・デイヴィスへも適用できそうです。
こちらは55年の録音で、新たに結成したクインテットの最初の作品。ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ、といった面子ですね。この面子でマラソンセッションも行われた訳です。
テンポが早い曲が含まれているのがポイントで、このグルーヴ感が非常に刺激的です。50年代後半になってくるとスピードが緩んできて、アダルトな雰囲気が増していきますが、ここではまだ走っている。これが瑞々しくていいんですね。
この辺りの録音はそんなに多くないので、もう少しでコンプリートしてしまいますが、ここを核にして広げていきたいと思います。