ビートルズ『Get Back』Part 2


2枚目はジョージ・ハリスンを呼び戻すために3人がジョージの元に出向いてミーティングを行ない、無事ジョージが帰還するところから始まります。ここでスタジオがトゥイッケナムからアップルのプライベート・スタジオに変わった。そして急速に演奏が締まっていきます。

 

端的にスタジオが狭くなるとメンバーの距離感が近くなって親密度が増すところもあるかと思います。ただ、ジョージの一時的な離脱を経てメンバーの協力度合いも上がっている。そして演奏のクオリティが上がって気分も乗ってくると、スパイラル状に演奏が良くなっていく。この辺りからジョンがよく喋るようになりました。

 

そしてキーマンの登場です。元々キーボードが必要と話していたところにビリー・プレストンが現れる。てっきり誰かが呼んだのかと思っていましたが、偶然挨拶に立ち寄ったんですね。そして演奏に参加してそのままゲスト・メンバーとして加わることになります。

 

「I've Got A Feeling」の演奏中にビリー・プレストンが印象的なフレーズを弾いた時のポールの嬉しそうな顔といったらありません。目を見開いてビリーのセンスを歓迎している。他のメンバーもエレピの音が演奏に加わって本当に嬉しそうで、どんどん曲が完成していきます。ここで急速にクオリティが増していくんですね。この辺りのシーンはかなり鳥肌ものでした。

 

予定していた野外でのライブが中止になってポールが何か代案を欲しがっていたところにルーフトップでのライブ案が出てきてパート2は終了。紆余曲折の末に出来上がっていった、まさに綱渡り状態のドキュメントだったんですね。偶然で成り立っている部分が余りにも多いことに驚いてしまいます。