最後はルーフトップ・コンサートの映像が主役です。
でも実際にやると決めたのは前日。それも直前までやるやらないで議論している。こんな状態で決行されたというのは凄い。あらかじめ決まっていた訳では全然ないんですね。その点は驚きです。メンバーで議論していて最後はリンゴの「僕はやりたい」の一言で決まる。口数は少ないですが、決めるところは決める。リンゴ・スターはやっぱりカッコいい男ですね。
実際のステージで一番映えるのはジョン・レノンでした。颯爽と登場して長い髪が風になびいて、歌い出せば場を持っていってしまう。本番に強いし、オーラがあります。パフォーマンスで結果を出すところがカッコいいですね。ステージに立つと次元が違う人、というのが際立ちます。
ルーフトップ・コンサートの映画は事前に観たんですが、そこでも気になったマルチの映像処理がここでも行われていました。映画館では横長のスクリーンで様々な映像が大きな画面で出てくるのでまだいいですが、家庭用のテレビではやはり画像が小さくなってしまって、もう少し何とかできないのかなあ、と思ってしまいます。実際には道ゆく人々の反応や警察の対応などが同時多発的に起こっているので、その緊迫感を伝えたいという意図は分かりますが、如何せん演奏を楽しむには少しノイズになってしまう。この辺りは残念です。ここは大きな画面で切り替えていく編集をして欲しかった。
最終日の演奏をエンディングと兼ねてしまうところも若干疑問が残ります。ルーフトップで演奏しなかった演奏の折角の完成形をきちんと観せないというのは何か意味があるんでしょうか。これはルーフトップ・コンサート+αで別作品としてパッケージ化する計画があるのでは?と勘繰ってしまいますね。
ということで最後が少し残念ではありましたが、全体的には発見の多い映像でした。言われていた程には解散劇になっていない。むしろ演奏を楽しんでいるのが大半だったというのは多くの人にとって救いになるのではないかと思います。それから、やっぱり演奏している姿はカッコいいの一言に尽きますね。