96年の初来日公演を収録したNRBQのライブ盤。
ライブ作品についてはそれまでのアルバムの楽曲を知っていないと楽しめない側面もあって、一見さんお断り的な感じもするんですが、とはいえ聴き始めでライブを体験するリスナーもいるわけで、自分の場合はトッド・ラングレンの88年の来日公演なんかがそうでした。知らない曲ばかりなのと、耳に引っかかるいい曲の断片、それらをきっかけに何年もかかって聴き込んでいったり収録アルバムを探したりする。ライブにはそうした面も多分にあるような気がします。
この作品もやっと実現した来日公演ということもあって好事家が大興奮している雰囲気が伝わってきます。でも単純に楽曲がいいのと、シンプルな音が響いているので、ここから始めるのもありかな、と思います。
ライナーノーツに掲載されているカーネーションの直枝政太郎(当時)やヒックスヴィル、嶺川貴子、片岡知子、長門芳郎といった面子を見るとNRBQの日本での位置付けが分かってくるような気がします。入口はそれでいいんですが、何より楽曲の魅力で推していって欲しい。さもないとカルト化してしまいます。もうしてるのかな。