カーネーションの2003年の作品『LIVING / LOVING』はメンバー脱退を経て3人体制となった初めてのアルバムでした。少し煮詰まってきた感じがしていた前作から、苦心の上ではあれ吹っ切れた音が鳴っていた痛快なアルバムでしたが、そこからはや20年。その20周年を記念して行われたライブを収録した作品がリリースされました。ジャケットは江口寿史。
元々結構ハードな音がしていたアルバムでしたので、再現ライブもラウドな雰囲気、という側面もありますが、その割には落ち着いた雰囲気もある再現ライブでした。年季が入っているのでどうしても勢いだけで突っ走る形にはならない。これを円熟と言えば簡単ですが、それともまた違う感じがします。現役感かな。
ひたすらその後もライブを継続して演奏力が落ちていない、重ねてきた場数が違う。そこから滲み出る余裕が音を安定させるんだと思います。素晴らしい。再現ライブでありながらまるで最新作のような瑞々しさ。20年という年月は長いようでいて過ぎ去ってみると一瞬のようです。そしてその頃と全く変わっていないような気がする。気がするだけなんですけどね。
