83年リリースのこの作品で一旦聴き固めは終了。こちらはライブにオーヴァーダブでホーンを加えた作品となります。
ライブ音源を後で編集加工し、意識的にパッケージ作品として扱うのは究極的にはフランク・ザッパがよくやっていた手法ですが、同じく山下達郎も意識的にライブ音源を作品化しているミュージシャンです。そして吉田美奈子もそうだったということでしょう。自らのパフォーマンスを客観視して後から作り替えていくというやり方は、自身にプロデュース能力がないとできない所作だと思います。
ここまで吉田美奈子作品を一気に聴いて来ましたが、当初抱いていたソウル、ファンク寄りのイメージは払拭されて、むしろ洗練の方が印象に残りました。そしてそれはやはり山下達郎に抱いたイメージと似ていて、お二方は写鏡のようになっているんだと思います。しかしどの作品もクオリティが高い。ここに気づくまでに随分と時間を要しました。
後は山下達郎のチケットが当選することを祈るばかりですが、こればっかりは仕方ない。気長に待つこととします。もう時間がないような気もしますが、そんなことは考えずに抽選に粛々とチャレンジすることにしましょう。