プリファブ・スプラウト『Jordan: The Comeback』


90年リリース。全19曲、64分という大作で、元々は2枚組を想定していたとされるアルバムです。こちらもリードトラックの「Looking For Atlantis」ばかり聴いていて、全体を聴き返すことは余りありませんでした。

 

途中で出てくるボレロの楽曲は水戸黄門みたいでちょっとカッコいいとは言い難い雰囲気もある。全体的に大作主義でちょっと重い、など色々と文句が出てきてしまうので、これをプリファブ・スプラウトの最高傑作と呼ぶのには若干抵抗があります。

 

とはいえ力作であることは間違いないのと、その後の活動が若干曲がり角を迎えつつある前兆も含まれているので、少し慎重に聴き返してみる機会を与えられたと思っています。

 

後半の楽曲群は立て続けに美しいメロディがコンパクトに続いていく。まるでポール・マッカートニーが作るメドレーのようで、これはこれで綺麗ですね。パディ・マクアルーンの壮大な世界観はこの頃からレコード会社の同意を得られることが減っていって、数々のお蔵入りアルバムを産んでしまいます。それが後に発掘されて嬉しい出来事になる訳ですが、実際の活動時は本人、周囲を含め耐え難い瞬間もきっとあったはずで、これが活動失速を招いてしまうことはよくある話です。

 

本当はこのアルバムはパディの理想通り3部構成の2枚組としてリリースされるのが正解だったと思います。しかし、それはやはり「IF」の話になってしまうので、今となっては思いを馳せるのみ。そして、少し分けて楽しんでいくことが必要かと思います。