フランク・ザッパ『ザッパ・イン・ニューヨーク』

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朝からザッパの2枚組というのは濃いなあ。こちらも再プレスで買い直し。1978年リリースのザッパ絶頂期の頃のライヴ盤だ。

当時はワーナーと揉めていた頃で、リリースタイトル消化のために、これの他に3タイトルが同時期に出た。これらが後に3枚組の大作『レザー』として世に出るはずだったのだが、これも発売拒否となって、後にザッパの死後リリースされる運びとなる。

肝心のこの作品の方は発売当初は『パンキーズ・ウィップス』が抜かれた形でリリースされ、CD化の際に無事収録。更に大幅なボーナストラックを加えて曲順も変わってリリースされた。

最初にこのアルバムを聴いたのは学生時代。当時はザッパCD化の直前で、かつ『パンキーズ・ウィップス』入りの盤が高額をつけていた。たまたま明大前で見つけて親に借金して買ったが、これも多分海賊版だったんだろう。それでも8000円したんだよなあ。

その後のCD化はボーナストラックに度肝を抜かれた。2曲目の『クルージング・フォー・バーガーズ』なんかはクラクラする迫力で、さぞかし実際のライヴは凄かったんだろう。

ブレッカー・ブラザーズも参加していたりするビッグバンド形式だが、何といってもテリー・ボジオがドラムなので、演奏は緊張感に溢れ返っている。当たり口はソフトな音なんだけど曲は難曲が多くて、若干プログレの風味も感じ取れる。でも基本はやっぱりザッパのギターでしょう。自分としてはこの前に出た『ズート・アリュアーズ』や更に前の完全無欠の傑作『ワン・サイズ・フィッツ・オール』なんかでのギターが最高だと思うが、本作でのバンドとしての完成度にも目を見張るものがある。

最近だと息子のドゥイージルがやってるZAPPA PLAYS ZAPPAでも『ブラック・ページ』なんかが演奏されているが、こんな不可思議な曲群をこれだけの規模で演奏し続けていたという事実。一体当時誰がザッパを支持していたんだろう。