ブライアン・ウィルソン『That Lucky Old Sun』

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66歳ブライアン・ウィルソンの傑作が出た。DVD付の国内盤を待って買ったが、これは正解。映像の方は非常に興味深かった。

恐ろしいスピードで各メンバーに指示を飛ばす姿はザッパやJBを彷彿とさせる。うおお、ブライアン・ウィルソンってこんな人だったんだ。『スマイル』のDVDで垣間みてはいたが、その度合いが今回は更に増している。御大のなせる技というより、純粋に自分の世界を実現するための探究心がそうさせている感じだ。指示は具体的かつ非常に細かい。「一音一音にこだわる」「ドラムを交響的に捉えている」「自分には絶対ない発想のコードを指示する」といったようなメンバーの発言は見ていてスリルを感じさせる。

結果でき上がった音楽は非常に明るくてポピュラーなものだが、緻密に構築された結果の産物でもある。これを60年代にやっていて、40年後にまたやるという凄さ。しかも60代で脂が乗り切っている。顔はおじいさんだが、ビートたけしみたいに引きつっていて余り笑わない(笑えない?)。この辺も怖い。でも音楽に囲まれて皆幸せそうだ。心地よい緊張感に包まれている感じ。

様々なパターンの商品が出ていてビジネスに少し辟易するが、間違いなく国内盤のDVD付を買うべき。