フランク・ザッパ『Mothermania』

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音が強い。

フランク・ザッパの一連の作品は一昨年だかにまとめて再発されましたが、その膨大なタイトルの中で目に留まったのが本作でした。初期マザーズのベスト盤で、学生時代にアナログで集めていた頃に非常にレアだったもの。単なるベスト盤ではなく何曲かはミックスを変えて収録されているというまさにマニア泣かせのアイテムで、中古盤でもめったに見かけませんでした。それがこうしてサクッと再発されて容易に手に入る、ということでずっと目を付けていました。

当初は一連のタイトルが紙ジャケで国内発売される予定とのことでしたので気長に待っていましたが、どうも一向にその気配はない。恐らくはユニバーサル側でビジネス的に成立しないと踏んだんでしょう。何となく気持ちは分かります。そうなると輸入盤でコツコツと当たっていくしかないんですが、そんな中で中古屋にサクッと置いてあったのを見つけた次第。とりあえず買って聴いてみました。

結論からすると当時買わなくて良かった。ミックス違いは自分の耳にはほとんど聴き取れません。大枚はたいて買う程のもんではない。オリジナル・アルバムを揃えておけば充分です。むしろ収録されている60年代マザーズの音の強さ。これはリマスターもされているんでしょうから音圧も上がっていて結構生々しい。こいつは収穫です。

今回の再発のもう一つの目玉は『Hot Rats』がオリジナル・マスターで聴けること。これは結構期待できると今更ながらに思いましたので、機を見て探すことにします。といったきっかけを与えてくれた一枚、ということでしょうか。収録曲はベスト盤とは思えない程異常な曲のオンパレードでとても初心者にはお勧めできません。何といってもタイトルが『マザーマニア』ですから。