ゴドリー&クリームのアルバムで唯一持っていなかったのがこの変則的なベストアルバムです。
基本的に映像版が主役で、音については聴いたところで無意味かと思っていたのが理由ですが、やはり混沌は感じる。何故にこうした形態での作品としたのかその意図が読み切れませんが、恐らくは契約枚数との絡みか、アーティスト側が映像作品の大家となっていたので、その部分への拘りが呼んだ事態だったのか、謎は深まるばかりですが、とにかく各国盤で収録内容がばらついていることからも、制作サイドと販売サイドの思惑の違いが読み取れる特異な作品となってしまっているように思えます。
端的に言ってミックス音源は余り楽しめない。ヒット曲の「Cry」が入っているのが唯一の救いですが、それすらもミックス音源の一部として収録されてしまっている。これを押し切ったゴドリー&クリームは凄いと思いますが、全体として質が追いついていってないのが惜しいところです。非常に勿体ないですね。
ゴドリー&クリームがミュージックビデオの映像作家として数々の名作を残しているのは周知の事実ですが、音については完全に本作では従属する形になってしまっています。逆に映像版のきちんとした再発を強く望みます。