10cc『Tenology』disc 4

f:id:tyunne:20181027092608j:plain

ラスト。B面とレアリティーズということで、初収録は少ないものの自分としては初めて聴く音源が多いディスクです。どの曲も聴きどころがあって、やっぱり普通にいいグループだったんだな、と改めて思いました。

ゴドリー&クリーム脱退のきっかけとなったギズモを配した『Gismo My Way』がどんな曲か興味がありましたが、意外とノーマルなインストで拍子抜けしました。実は『ギズモ・ファンタジア』も昨日入手したので後日ゆっくりと味わう予定ですが、端的に手法が前衛なだけで楽曲は王道なのかもしれません。

10ccは全員が曲も書いてボーカルもとるのでバンドとしては非常に多彩なバリエーションを見せるグループです。この個性の同居がそう長く続く訳はなく、77年以降は分裂してしまいますが、その絶妙なバランスがもたらす音楽は非常に複雑でアーティスティックです。『びっくり電話』まで行くと、その凝り具合にお腹一杯になってしまうきらいもありますが、短期間にここまで成熟した結果として飽和は必然だったんだろうな。

時代が許せば再度集結してリラックスした音源を残して欲しいなあと思います。叶わぬ夢かな。