ハウディ・ムーン『Howdy Moon』

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何気なくフィフス・アベニュー・バンドのコーナーを見ていたら見つけた74年作品の再発盤。最初に見た時は少し迷ってしまった。フィフス・アベニュー・バンドは大好きなんだが、関連作品でピーター・ゴールウェイ以外はどうも印象が良くなかったからだ。最初に一緒に借りて聴いた作品がどうしても思い出せなかったが、「ホワイト・ホース」というグループだったことを思い出して、「これは違う」ということで購入。アマゾンでは1万円前後のプレミアがついてしまっているが、2100円でした。

元フィフス・アベニュー・バンドでアースの『ブギー・ワンダーランド』やマドンナの『クレイジー・フォー・ユー』の作者という意外な経歴の持ち主のジョン・リンドがいたバンド。プロデュースはリトル・フィートのロウエル・ジョージということで悪いはずはない。

『For Tonight』『Runaway』なんかにその片鱗が見られるが、基本はアコースティックな雰囲気なのに隠し味でグルーヴが潜んでいるような味わい深いアルバムだ。『And You Never Knew』なんかもシンプルなようでいて複雑だ。これは渋いなあ。

 

何度も書いてしまうが、フィフス・アベニュー・バンドを聴いたきっかけはデビュー当時のキリンジが影響を受けたアーティストとして名前を挙げていたから。でも最近聴き直しているサウンドストリートでも『Eden Rock』がかかって、坂本龍一が好きだと言っていた。「これは誰も知らないでしょうね」等と言いながら。元々シュガーベイブの人達も思いっきり敬意を表しているので悪い訳がないが、関連作品にもこんなに充実した作品が隠れていたとは!これは出会ってよかったアルバムだ。