カーティス・メイフィールド『Curtis』

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何故か持ってなかったカーティスの70年リリース1st。これはいい。

94年の再発時に『バック・トゥ・ザ・ワールド』や『アメリカ・トゥデイ』なんかは買って聴いていたが、1stだけは手を伸ばさなかった。お金がなかったのかな。でもこのアルバムに必殺の『Move On Up』が入っているので、聞き逃してはいけないアルバムだった。

 

カーティス・メイフィールドはそのファルセット・ボイスや風貌からとても穏やかな印象があるが、何かとメッセージ性の強い人だ。そのため音楽もシリアスな内容があるが、曲自体は美しいものが多くて、特にメッセージに拘らなくても充分に聴ける。『So In Love』なんかは本当に綺麗で好きだ。

このアルバムにも何曲かそういった曲が入っているが、後半の『Miss Black America』『Wild And Free』なんかはメロウでいい感じだ。結構ハープが鳴っている曲が多いんですね。

正月にBSでソウル・ディープというドキュメンタリー番組が放送されていて、そこでも公民権運動の話がよく出てきたが、カーティスがモータウンから離れていった経緯にも触れられていた。マーヴィン・ゲイダニー・ハザウェイなんかと合わせて「ニュー・ソウル」として語られることが多いこの時期のアーティストは、そうしたメッセージ性を抜きにしても充分にクオリティが高くてカッコいい。かしこまって聴くようなアーティストじゃないんだよなあ、本来は。勿論時代を無視しては語れないが、単純にこのグルーヴは不滅だと思う。