ギル・スコット・ヘロン『It's Your World』

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76年リリースのこのアルバムはレア・グルーヴを聴いてみようと思って集めていた時になかなか見つからなかったもの。アマゾンに一度注文したが、在庫なしでキャンセルされてしまった。気長に探していたら、神保町で見つけた次第。

 

なるほど洗練されている。ジャミロクワイの源流という話は納得。オリジナル・ラヴや果てはクレイジー・ケン・バンドもこの辺に原点がありそうだ。90年代はこのあたりを参照した時代だったんだな。

元々は2枚組なので4つのパートに分かれているが、中盤にライブ録音が挟まる形で、いずれ劣らぬグルーヴ。でも落ち着いて聴けるということはジャズ的要素が強いんだな。これは確かに広く聴かれて然るべき作品だ。当たりが非常にいいファンク、というよりニュー・ソウルに近いかな。ライブ録音があるからかもしれないが、ダニー・ハザウェイを聴いた時のような感覚だ。最近復活したシャーデーなんかのAORっぽい雰囲気をもう少し濃くした感じでもある。ドラムの音の乾き具合なんかはやはりジャミロクワイが随分影響を受けたんだろう。この辺は一歩間違うと洒落た路線になってしまうところをギリギリのところでグルーヴィーに仕立てている。

聴いてて快適なのでこの時期のアルバムはもう少し集めてみよう、と思いました。