ロバート・ワイアット『ロック・ボトム』

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ずっと気にしていたロバート・ワイアットの作品を思い切ってまとめ買いした。この作品は74年リリースの2nd。

ロバート・ワイアットといえばエルヴィス・コステロと一緒に演奏した『シップビルディング』だが、この作品では『シー・ソング』ということになる。

 

ソフト・マシーンを抜けて、事故の後車椅子生活となり、その後発表された作品だが、やっぱり暗い。でも綺麗だ。プロデューサーはピンク・フロイドの人だったりするし、ソフト・マシーンはジャズ・ロックだし、ということでインスト比率が高いのは当然として、ドラム・スティックの後に手にしたキーボードが幽玄の世界を繰り広げていて、どこかに連れて行ってしまいそうな孤高の雰囲気を持っている。この辺の世界ばっかり聴いてる人もいるんだろうなあ。ちょっと理解できない。

ロバート・ワイアットの場合はとにかく綺麗な音楽なので、一見難解なようだが彩りは繊細。メロディもマイナー転調を突然入れるような不思議なものが多くて、とっつきにくくてかつ寡作という困ったアーティストだが、熱心なファンが多いのも頷ける。1回聴いただけじゃ分かんないなあ。

このアルバムは6曲しか入ってなくて、1曲毎が長い。後半は語りも入ったりしながら少し冗長だが、『シー・ソング』はいいなあ。