カーペンターズ『スーパースター』

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大滝詠一ボックスがいつまで経っても届かないので話題のルーマーを買おうと思っていたが、その前にやっぱりカーペンターズをちゃんと聴いとかないと、と考えて咄嗟に入った中古屋で見つけたのがこれ。71年リリースの3rd。

強烈な激務の中での録音のようだが、そんなことを微塵も感じさせないゆったりとしたカーペンターズ節で、有名な曲も沢山入っている。『Rainy Days And Mondays』や『Superstar』は言うに及ばず、ロジャー・ニコルズで耳にしていた『Let Me Be The One』も入っている。実はカーペンターズのアルバムを購入したのは初めてだが、よく言われるように既視感のある曲ばかりで見事な普遍性がある。その上、曲の展開も非常に凝っていて聴きどころが多い。ソフト・ロックなんですよね、要するに。

お兄さんのボーカル曲が何曲か入っているのは驚いた。まだカレン・カーペンターがメイン・ボーカルとして不動になってないんだな。この声ですべての曲がオリジナルのように聴こえてしまうマジックは本当に凄いと思う。B面のバカラック・メドレー然り。曲を作る時間がないから入れたようだが、それにしたってよく出来ている。こうやって当時世界に希望を与えていたんだな。時代のアイコンになることを引き受けてその後はすり減っていく訳だが・・。

ラストの『Sometimes』でのピアノの弾き語りは『薔薇色の明日』での『エイプリル・フール』を思わせて感慨深い。