マシュー・スウィート『Modern Art』

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ムーンライダーズの無期限活動停止に胸を痛めつつ、ボーナストラック入りを待ったマシュー・スウィートの新作。問題作と言われているが、前作でも勢いは落ち気味だったのでさして驚く程のものでもない。

『Living Things』で久々に復活したかと思いきや、一転して今度の来日では『Girlfriend』の再演をするなど低迷気味の感を醸し出している。この人も謎のアーティストだ。ここ最近のスザンナ・ホフスとのカバー集で勢い良く歌っていたので調子は上がり気味かと思っていたが、少し難解な方向へ舵を切っているようだ。

ピークを過ぎたのかな、と思ったら『キミがスキライフ』で再度沸点へ達する等、波の激しい人。なのでここでの低迷もあまり心配はしていない。この後聴くバングルスのプロデュース作も良さそうだし。

HPではB面集との2枚組も発売されていて、そちらを探そうかと迷いに迷ったが結局BARNES&NOBLEの限定盤を購入した。アナログでもボーナストラック入りでリリースするなど形態が忙しい。この辺りのリリースの多様さも売上を何とか増やそうとするプロモーション側の足掻きに見えてしまう。

それにしても最近はアナログでの同時リリースが増えてきたなあ。かのムーンライダーズも新作はアナログのボーナストラック入りを出すようだし。ロバート・ワイアットに至ってはアナログのみでの旧作再発なんて離れ業をやってのけている。中古屋でもアナログの値段は高騰しているし、単純に高年齢層に購買層がシフトしてきたからなのか、その辺りは不明だが確実にアナログ盤を手にしているユーザーはおっさんが多いのは確かだ。

話は戻って本作はやはり聴いていてもキラー・チューンの欠如が否めない。果たして聴き込む内に味が出てくるのか、その辺りは時間をかけないと何とも言えない。ただビジネス面で苦労しているのは間違いないだろう。トッド・ラングレンと同じだな。