エルヴィス・コステロ『Spike』

f:id:tyunne:20181028125317j:plain

89年リリースの作品。これは借りてる場合じゃない。早く買えばよかったなあ。

ポール・マッカートニーとの共作曲が入っているという話題性で知名度はありましたし、実際『ヴェロニカ』は聴いたことのある曲でした。ああこれか、という感じ。でもその他にも魅力的な楽曲が多く収録されていますし、何よりゲストが豪華。アラン・トゥーサンはいるわロジャー・マッギンはいるわマーク・リボーはいるわでめくるめく展開が楽しめる好盤。ダーティ・ダズン・ブラス・バンドをフィーチャーした楽曲も渋くて最高です。

時期的には大好きな『ブラッド&チョコレート』の後、その前は『キング・オブ・アメリカ』ですので悪い訳もなく、ワーナー移籍後に好きなことをやっていいと言われてやりたい放題に様々なプロジェクトを詰め込んだものなので、ヴァラエティに富んでいて尚かつ楽曲がいい、という非の打ち所のないアルバムです。

難点は収録時間が長いことかな。この時期の作品はどれもそうですが、目一杯15曲64分という今となっては長過ぎる構成。いつ頃から従来のアナログレコードの収録時間に近づいてきたんだろう。46分くらいしか持ちませんよね、耳が。音楽に対する欲求が時代的に減ってきたのか、それとも90年代前後が過剰だったのか。恐らく後者でしょう。

じっくり聴いても聴きごたえがあるし、パッと聴いても耳に残る音が多い好盤です。いつかちゃんと買わなくちゃ。