キンクス『Lola Versus Powerman And The Moneygoround』

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キンクスのパイ・イヤーズがレガシー・エディションで再発されることになり、その第一弾として『ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組第1回戦』(長い!)がリリースされました。タワレコ秋葉原では早くも品切れで、結局DUで入手しましたが、予想通り紙ジャケ仕様ではなくプラケース。但し『パーシー』との2枚組で未発表曲も収録、ということでやはり手にしないわけにはいかない作品です。さて今後の展開はいかに。

音圧も丁度良く、内容はそもそも最高なので満足ですが、何といっても未発表曲が素晴らしい。『Anytime』はスローでメロウな曲で、当時の好調ぶりを象徴するタイトな作り。『The Good Life』は元気のいいギターサウンドということで、ここへ来て更に本作の価値を増幅させてくれました。

で、本編の方はというとやはり必殺の『Lola』『Apeman』『Powerman』の3連発で完全ノックアウト。この頃のキンクスは後のロックオペラにあるしつこさもなく初期のキンキーサウンドにあった勢いも持続させている非常にバランスのとれた状態にあって、最初に聴くならこれ!という位の充実した内容になっています。非の打ち所がない。既に自分の中の一部になりつつあるので新鮮味は左程なかったんですが、それでも何度聴いてもカッコいいと思えるのは流石です。

解説を見る限り当時の多忙さは尋常ではなかったようですし、様々なトラブルを抱えた中での制作作業だったようですが、それでもこれだけの作品を世に出していたんだから結果オーライでよろしいかと思います。