ヴァン・デューレン『Idiot Optimism』

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99年に日本のみで発売された幻の2nd。70年代末に発売予定だったものが所属レコード会社の倒産でお蔵入りになっていた作品だそうです。それを日本で発掘してしまうところも凄いですが、何よりこんないい作品が世に埋もれてしまっていたところが凄い。1stも捨て曲無しの名盤でしたが、この2ndも非常にいい作品でした。

前作に比べてアレンジが洗練されてきており、バンドサウンド然としてきています。一聴して音の変化は明確ですが、メロディの良さは変わっていません。収録曲は77年から79年までの作品のようですが、明らかに初期と思われる作品の方が輝いています。要するに1stに近い方がいい、ということですね。

この人はメンフィス出身だそうで、どことなく漂う南部の泥臭い感じがそれを彷彿とさせます。ただしやっぱりメロディメーカーとしての資質はそうした音の質感を飛び越えて聴く側に突き刺さってきます。恐らくはここまでなんだろうと思わせますが、しばらくは聴き込んで耳に焼き付けようと思っています。本当に今年は妙に発見の多い年になりました。