スクリッティ・ポリッティ『She's A Woman』

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スクリッティ・ポリッティは『プロヴィジョン』をリリースした後一時期音沙汰がなくなる時期がありますが、その前にいくつかの12インチシングルがリリースされていました。これはその中の一つ。91年にリリースされたシングルで、アナログで購入した記憶があります。何とビートルズのカバーなんですね。しかも国内盤のCDが出ていたとは知りませんでした。中古屋で見つけてびっくり。

以前、コーネリアステイ・トウワ砂原良徳の3人でラジオ番組があった際に砂原良徳がかけていたように思いますが、この音源はアルバムにはなっていません。もうひとつシングルが出ているようですがそれは残念ながら未確認。ここでやっぱり失速していったんだと思います。どうしても音が80年代的ですので。でもスクリッティ節で安定していい訳で、やはりアルバムまで行って欲しかった。セールスがそれを許さなかったのか、本人が意欲をなくしたのか。

スクリッティ・ポリッティはその後奇跡の復活を遂げ来日までしますが、一部での再評価の嵐、というより当時の影響力の大きさが改めて浮き彫りになる機会があって、ミュージック・マガジンでは特集まで組まれてしまいました。そこまで大きな存在だったのか、と驚きましたが、当時は坂本龍一サウンドストリートで逐一シングルが紹介され、ゲストにまで招いたという力の入れようでしたので、当然自分も追従していきました。12インチの音の良さには度肝を抜かれましたが、確かに時代の産物だったし、その後が続かなかった。でも伝統芸能として継続していく道もあったのではないかと思うんですね。グリーンはその道を選ばなかった、ということでしょう。