ステレオラブ『Switched On Volumes 1-3』disc 2『Refried Ectoplasm』

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ステレオラブBOXの2枚目は95年のリリース。音源は92年から93年のものとのことで、この辺りも完全なミッシングリンクです。初期音源というのは荒々しいイメージとどマイナーな暗さを警戒して、というより端的に情報がなくて手を出していない時期の音です。

基本的にずっとギターが鳴っているイメージ。実験的かというと中にはそういうものもありますが、基本はポップスです。ステレオラブは生来がポップス志向なので、あまり深みにハマる音楽は作らない。その辺りがいいですね。

90年代初頭は何度も書いた通り音楽的には暗黒の時代で、情報から取り残されていた環境にありました。しかし、95年以降のネット時代を境にそうした環境は徐々に改善されていきます。そしてこれはポストモダンの時代の始まりでもあった。かつ、ここから時代を象徴する動きに世の中が同期していく流れが失われて、のっぺりと20年以上、現在に至るまで左程変わらない。そんなことになる直前の時期の音楽がここには詰まっています。