スティーリー・ダン『Alive In America』

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90年代の前半を福島で過ごしたので、当時は文化から断絶されていました。Windows95の発売前ということもあってまだインターネットも普及前。情報は確実に絶たれてしまって、スティーリー・ダンの来日公演についてもどこか別の星の出来事のようでした。しかしながら、何度か書いている通り、客層がマニアと洒落たカップルに二分されていたという話は興味深く聞いていた覚えがあります。

 

先日聴いたスティーリー・ダンのリユニオンツアーの音源は、95年に公式版のライブとしてリリースされていて、何故かずっと手を出さずに来てしまった。思うに左程ライブとしてのアレンジがなく、スタジオ版の再現に徹していたライブなので面白みに欠けるという評判を目にして避けていたものと推測します。

 

でも先日のライブ盤が余りにも良かったし、再結成後の『Two Against Nature』リリース時の映像なんかも見返していたりして、やはりミッシングリンクは埋めねばと考えた次第。

 

演奏は安定していて非の打ちどころがないですが、その辺りがライブとしてはどうなのか、という話なんでしょう。しかし『Aja』や『Gaucho』の頃の楽曲が演奏されるだけでも貴重だし、それをきちんと作品化していたことは評価すべきだと思います。

 

そしてこれから新作が出るまでに5年の期間を要し、かつ今となってはウォルター・ベッカーの死によって最早スティーリー・ダンの復活はあり得なくなってしまったという話。このライブ盤のリリースからでも四半世紀経っていますので、当たり前に時は過ぎている。それ位昔の話なんですね。驚きます。