佐藤優介『キラアク』

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カメラ=万年筆の佐藤優介による満を辞してのソロシングルが出ました。ムーンライダーズのアルバムから名付けられたカメラ=万年筆は佐藤優介と佐藤望の二人によるユニットで、その内佐藤望の方は昨今Orangeadeでも活躍中です。

 

しかし、名前をよく聞いたのは佐藤優介の方で、最近新作を出したスカートやカーネーションへの客演などでその名前を見る機会は多かった。そうした最中、やっと届けられたソロ作品、という気がします。

 

かなりポップな作品になっているという予感はありましたが、その印象は違わず、加えて前衛的な雰囲気もありました。例えるならノンスタンダードの所属アーティストのような、まるでSHI-SHONENの戸田誠司のような、ボーカルにエフェクターがかかって聴こえにくく、かつ鳴っている音楽はすこぶるポップ、という独特の佇まいです。

 

収録曲は5曲ですが、どれも短くて、1分半くらいの曲が大半。なのに毒が強い。まるでトッド・ラングレンの『A Wizzard A True Star』みたいですね。

 

最近のレコードコレクターズ にもインタビューが収録されていますが、なかなかに強烈な才能が出てきた感があって、頼もしい限り。カメラ=万年筆の方は前衛的過ぎて耳が遠のいてしまいましたが、こちらは何度も味わえそうです。