ビル・エヴァンス『Bill Evans At The Montreux Jazz Festival』

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68年のビル・エヴァンス・トリオのこのライブにはドラムスにジャック・ディジョネットが参加しています。この後マイルスに引き抜かれてしまうということで、ビル・エヴァンスとの共演はたった一瞬の出来事だったようですが、自分は『ビッチェズ・ブリュー』などからジャズに入っていったクチなので、まずはジャック・ディジョネットの名前の方を先に知っていた。それがこんな形で再会することになるとは。

 

ビル・エヴァンスの作品は現在絶賛開拓中ですが、ここでのエディ・ゴメスのベースもなかなか飛ばしている。ピアノ・トリオにおいてプレーヤー各々が演奏を主体的に押し出していくという特異なスタイルは、参加するプレーヤーにも継続的に引き継がれていて、属人的ではないということですね。

 

ジャック・ディジョネットのドラム・ソロは叩きまくるのではなく波のように押し寄せてきて、これはまた格別の感覚です。不思議なソロ回しだなあ。ビル・エヴァンスの演奏も比較的強めの音が出てきていて、なかなかに刺激を受けながらのパフォーマンスだったのではないかと。

 

ジャケットの清涼感も含め、素敵な作品だと思います。