ビル・エヴァンス『Trio '65』

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タイトル通り65年に録音された作品。ベースはチャック・イスラエルの時代です。

 

ビル・エヴァンスはその後も毎日のように聴いていますが、この作品は再演の楽曲が多いので、お陰様で聴いたことのある曲が大半で、演奏内容を比較しながら聴くことができました。「How My Heart Sings」が絶品、という話もありますが、自分は結構同名アルバムのスローな展開も好きなので、ここでの若干テンポが上がってきた演奏は、優劣とは別にまた異なるバージョンとして楽しむ感じです。

 

ジャズを本格的に聴き始めてまだ日が浅いんですが、ポップスと比べて「新曲」という概念があまりないことに気付きます。この作品もまるでベスト・アルバムのようですが、そもそもスタンダードの楽曲を「演奏」するというプレーヤーの音楽なので、その解釈を楽しむのが中心となる。楽曲そのものの新規性ではない、というところが楽曲の創作を伴わない音楽の楽しみ方なんだと思います。

 

理屈とは別に音の心地よさという点でもこの作品は充分にその価値を満たしていて、この作品も早速ローテーションに加わりそうです。