XTCがライブ活動を辞めてしまったのはアンディ・パートリッジのステージ恐怖症が原因といわれていますが、まさにそのツアーの音源がこちらとなります。音質は悪いですが、資料的な価値は高い。『English Settlement』が発売された、82年の2月に行われているライブです。
先行リリースされたシングル「Senses Working Overtime」もヒットしていたので、このアルバムでXTCは更にブレイクしていくはずだった。しかしそうはなりませんでした。このライブはヨーロッパ・ツアーからのものですが、もうアンディの精神状態は限界にあったようです。音からはそうした兆候は一切伝わってきませんが。
『English Settlement』からの楽曲は6曲と僅かで、全体的には『Black Sea』と『Drums And Wires』といったアルバムからもバランスよく選曲されています。そういった意味では貴重さはさほどのものでもない。ただ、『English Settlement』の楽曲はライブ演奏には適さない高度なものでしたので、演奏に難ありかと思っていましたが、そうでもないですね。XTCは演奏力のあるバンドなので、新曲も軽々とこなしています。
音質が今ひとつなのがつくづく残念ですが、ここが分岐点なので歴史的には重要、といった感じかな。