こちらは89年『Oranges & Lemons』発売後にアメリカのFM局で行ったアコースティック・ライブの音源を集めたもの。以前からブートでは耳にしていましたが、これは本当に最高の演奏です。
MTVのアンプラグドという番組はこのXTCの演奏がヒントになっているという話を聞いたことがありますが、とにかく本当に演奏が熱くて素晴らしい出来です。複数のFM局の音源が収録されていますが、冒頭のKROQ-FMの音源が音質も含めてピカイチですね。この演奏は本当によく聴きました。
ベストアクトは未発表曲の「Blue Beret」で、もうこの1曲のために本作を購入してもいいくらいの素晴らしい演奏です。XTCのもたらす恍惚感が最も分かりやすい形で表出している見事な演奏。断然お勧めです。
そもそも82年以降XTCはライブツアーを行っていませんので、ここで演奏されている『Mummer』や『Skylarking』からの楽曲がライブで聴けること自体が貴重。加えて演奏のノリもバッチリなので非常に聴きごたえのある音源です。
ブートレグではKROQの音源はパーソナリティの女性とのやりとりがフル収録されたものもありましたので、通して聞くとそちらの方が楽しかったりもするんですが、やっぱり演奏に説得力があるのでそうした瑣末な話は関係なく楽しめる内容です。ただ、音質的にも演奏の勢いの面でも冒頭パート一択といった感じかな。
