2枚目がコンサートの第2部になります。こちらに若干このツアーの個性が出てきます。
来日公演で演奏された「I Don't Want To Tie You Down」がこちらのセットリストに入っていないのが甚だ残念ではありますが、それでも『A Cappella』からの「Honest Work」や「Lost Horizon」あたりが演奏されているのが目を惹きます。
その他にも「Bag Lady」やアンコールでの「Fade Away」などといった『Hermit of Mink Hollow』からの選曲が渋い路線で行われているのが素晴らしいところです。『Nearly Human』からの「The Want of A Nail」なんかも演奏されていますね。
曲順は必ずしも作品の年代ごとに配置されている訳でもないですが、おおよそは年代に沿っています。従って後半は比較的後半のアルバムからの選曲になってきてはいますが、一番新しい曲は自伝本のタイトルともなった「The Individualist」くらい。この辺がここ最近のトッドの不作を物語っている。非常に寂しいところです。
トッドは過去作品のアルバム再現ライブもてらいなく行ってもいて、その影響もこの公演には出ているように思います。過去曲を再現することでキャリアを振り返ることもできたでしょうし、何より演奏力が維持できた。そして自伝で過去を振り返ってそれを自ら再現してしまう。このサービス精神が素晴らしいし、やり遂げる体力も尊敬に値します。確か細野晴臣と同い年くらいじゃなかったかな。
高橋幸宏がキャリアを振り返るライブをやった際にはビートニクスやpupaのような別ユニットの楽曲もゲストを招いて演奏していました。トッドもそうした意味ではユートピアの楽曲を織り交ぜても良かったでしょうし、何よりアンコールは定番の「Just One Victory」「One World」あたりでまとめるのが筋では?などと思ったりもします。
とはいえそうしてしまうといつものライブと代わり映えがしなくなってしまうし、今回はあくまでソロ活動にこだわった結果とも言えそうです。それが意外な選曲にも繋がったのであれば、ここはよしとするしかないでしょう。何より活動が持続していること自体が素晴らしいことだと思います。