電気グルーヴ『20』

f:id:tyunne:20181013154225j:plain

テクノポップの当たり年は第2章が続いていて、しばらくは定常化しつつある。電気グルーヴもコンスタントに新作を出せるようになってきた。今回は20周年ということだが、「だからどうした」と言わんばかりの「普通」の音楽を出してきた。

基本線は昨年同様、オーセンティックな王道路線で、前半から中盤まではスローテンポの曲で占められている。『電気グルーヴ20周年のうた』『ピエール瀧の体操42歳』といったふざけたタイトルの曲名が並ぶ割には、音自体は抑制されていて、『VOXXX』の時のように全体として浮かれてないところがいい。復活以降は自分達の立ち位置を定めて活動できているんだろう。多少の歌謡路線がまぶされているようにも感じるが、それが結果的に分かりやすさに繋がっている。その代わり刺激は少ないかもしれない。「これはカッコいい!」といったような要素には欠けると思う。

YMOが長い充電期間を経て次のモードに移行しつつあるように、継続的にリリースを続けていれば新しい方向性が見えてくるんじゃないか、と期待します。